「食のサステナビリティフォーラム2025」開催、エシカル食品の新たな訴求方法と市場動向を検証

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「食のサステナビリティフォーラム2025」開催、エシカル食品の新たな訴求方法と市場動向を検証

CCCMKホールディングスが展開する共創型プラットフォーム「V みんなのエシカルフードラボ」(https://ethicalfoodlab.tsite.jp/)は、2026年3月17日に第2回「食のサステナビリティフォーラム2025」を開催しました。本フォーラムでは、エシカルな商品を売り場でどのように提示すれば消費者の価値として受け止められ、購買に繋がるのかが、商品メッセージを含めて検証されました。

第2回「食のサステナビリティフォーラム2025」の様子

エシカルな商品の訴求方法に関する検証結果

「V みんなのエシカルフードラボ」事務局の湯浅 知里氏からは、エシカルな商品の訴求方法に関する検証結果が共有されました。エシカルな価値を「価格差を超えて消費者価値になり得るか」を検証するため、コピーライターと協働し、7つのエシカルカテゴリーメッセージと商品メッセージを開発して調査が行われました。

その結果、エシカルな価値は自己欲求(安心感、満足感、応援する喜び)と紐づけて訴求すると、消費者価値に繋がりやすいことが明らかになりました。特に、女性や10~20代の若年層は、価格差を超えて商品を購入したいと考える傾向が強いことが判明しました。

「食のサステナビリティフォーラム2025」実証実験に関するプレゼンテーションスライド

「エシカルフードフェア」での実証

2025年10月には、「代官山 蔦屋書店」と「イオンスタイル有明ガーデン」で、最も消費者価値の高い商品メッセージを用いた「エシカルフードフェア」がコーナー展開されました。フェアを訪れた約150名を対象とした調査では、対象商品の好感度が代官山蔦屋書店で95.2%、イオンスタイル有明ガーデンで82.8%に上昇しました。また、購買意向も代官山で91.5%、イオンスタイルで79.7%と高い結果を示しました。お菓子やドレッシングなど、購買頻度の高い商品において、より購買意向が高まる傾向が見られました。

「Hello, エシカル! おいしいエシカルフードフェア」が代官山蔦屋書店とイオンスタイル有明ガーデンで開催されている様子

さらに、約2,000名を対象としたインターネット調査では、エシカル価値を消費者価値に転換した訴求メッセージ(A)が、エシカル価値をそのまま打ち出したストレート訴求メッセージ(B)よりも、全商品で購買意向を高めることが分かりました。特に30代以上の女性でこの傾向が顕著でしたが、20代以下の若年層では(B)の方が購買意向を高める傾向も見受けられました。このことから、販売するマーケットの性別年代を加味したエシカル訴求が重要であると考えられます。

各企業のサステナビリティへの取り組み

株式会社ドール「もったいないフルーツプロジェクト」

株式会社ドール マーケティング本部 本部長補佐 兼 ドール拡大推進室室長の成瀬 晶子氏は、「もったいないフルーツプロジェクト」について紹介しました。ドールは2021年9月より「もったいないバナナ」の取り組みを開始し、規格外として年間2万トンが廃棄されるフィリピン産のバナナを有効活用しています。冷凍バナナスライスやバナナピューレ、非可食バナナを炭化させたバーベキュー用バナナ炭など、150SKU以上の商品を展開しています。

また、SDGsに関心が高い若年層向けの試食施策や、「ストアロケーター」機能、オフィス向けデリバリーサービス「オフィス・デ・ドール」も実施されており、200社以上の企業が参画しています。この結果、2025年度には日本で4,000トンの「もったいないバナナ」が“救出”される見込みです。さらに、このプラットフォームを活用し、バナナ以外の「もったいないフルーツ」(パイナップル、アボカド、キウイ、国産柑橘など)の活用を目指す「もったいないフルーツアクション」を2024年10月より開始しています。

ドールの「もったいないフルーツプロジェクト」に関する取り組み事例を紹介するスライド

カゴメ株式会社「プラントベースフード」への取り組み

カゴメ株式会社 コーポレート企画本部 経営企画室 事業開発グループ マネージャーの佐藤 慎哉氏は、プラントベースフードへの取り組みについて発表しました。カゴメをはじめ50超の企業が参加する一般社団法人Plant Based Lifestyle Lab(P-LAB)では、「地球と人の健康」および「社会の持続的な発展」を目指し、プラントベースフードの普及活動を行っています。2025年3月には日本初のプラントベース食品の基準認証制度を創設し、日本から世界へプラントベースのライフスタイルを発信しています。

カゴメは商品の60~70%がプラントベースであり、業務用・家庭用でヴィーガン・ベジタリアン向けの提案を拡大しています。しかし、日本国内でのプラントベースフードの普及はまだ十分ではなく、物価高や日本の食文化がもともと植物由来であることなどが背景にあると考えられます。今後は、食べる動機づけや情報発信の強化が必要であると述べられています。

カゴメのPBF(プラントベースフード)への取り組みを紹介するスライド

亀田製菓株式会社「プラントベースフード」商品開発事例

亀田製菓株式会社 食品事業部 機能性食品チーム シニアマネージャーの守田 未来絵氏は、プラントベースフードの商品開発事例を紹介しました。同社は2023年に「植物生まれのグリーンチキン」を発売しましたが、売上は伸び悩み、「代替肉は美味しくない」というイメージが定着しつつありました。

そこで、コミュニケーションの方向性を「代替肉」から「植物性たんぱく質」に転換。「ちょいたし たんぱく新習慣」をキャッチコピーに、健康ニーズに注目した新商品を展開しています。2025年3月には「グリーンチキン」を「SOY PROTEIN+」としてリニューアルし、「たんぱく質」「食物繊維」「乳酸菌」がまとめて摂れることを訴求。また、サラダと一緒に食べられる「サクサクたんぱく」は、日本アクセス新商品グランプリ2026年春夏で加工食品部の6位入賞とトレンド賞を獲得するなど、高い評価を得ています。

さらに、カップ麺に加えるだけで手軽に大豆ミートの栄養とボリューム感を楽しめる「マシマシの種」は、約9割の顧客から「魅力的」と評価され、特に「たんぱく質訴求が魅力」という回答が約4割に上りました。この商品は、カップ麺の横で関連販売されることで、新たな顧客接点から売上を伸ばすケースも見られました。

亀田製菓による「プラントベース」商品開発事例のプレゼンテーションスライド

今後の展望

「食のサステナビリティフォーラム2026」は、これまでの知見を活かし、生活者への訴求フェーズへと移行する予定です。エシカルな商品との親和性が高い層に向けたコミュニケーションを通じて、エシカルフードのあるライフスタイルが提案されることでしょう。CCCMKホールディングスは、「Vみんなのエシカルフードラボ」の活動を通じて、食に関わるあらゆるステークホルダーと共に、エシカルフードが社会に浸透し、未来につながる食の循環を作ることに貢献していくとしています。

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